07
Th5
10

硬膜下膿瘍

1.定義
硬膜とくも膜の間に形成された膿瘍である。
2.疫学・頻度・一般
全頭蓋内局所性感染症の15~20%を占める。
40-80%は耳・副鼻腔域の感染巣の進展によるもの(子供においてはもっと多い)。10-20%は乳様突起、中耳由来。
進展様式は
①血栓性静脈炎を伴う静脈経由、5%は肺から。
②硬膜外膿瘍を伴う頭蓋骨の骨髄炎の波及。
他、頭部外傷、脳外科手術、既存の硬膜下血腫。
細菌性髄膜炎の幼児の2-10%に発生
●起因菌
 多くは多微生物性(polymicrobial);複数菌感染
 ブドウ球菌(10-15%)、好気性グラム陰性桿菌(3-10%)、嫌気性グラム陰性桿菌(副鼻腔炎合併が多い)、好気性溶連菌、(25-45%)、嫌気性溶連菌、嫌気性菌
 術後、外傷後の場合はブドウ球菌、好気性グラム陰性桿菌が多い

 まれに、Salmonella , Propionibacterium acnes(外傷後、脳外科手術後、硬膜移植)、M.tuberculosis、Candida sp
抗生剤がなかった時代には外科手術でも予後が悪かった(ほぼ100%死亡)。抗生剤の使用を含む現在では死亡率は10-20%に減らした。
3.臨床症状・所見・診断
●頭蓋内圧亢進による症状
●髄膜刺激症状
●局所の大脳皮質炎症による症状

①発熱(39℃以上)、
②頭痛(原因の副鼻腔や耳に限局した疼痛)、
③意識状態の変化(傾眠傾向、失見当識、無治療例では意識鈍麻、昏睡に至る)、
上記の①~③は子供においては大人より分かりにくい
④局所性神経巣症状、24-48時間以内に出現し、急速に進行する。片麻痺、眼球運動麻痺、同名半盲、散瞳、小脳症状。巣症状を呈しない例もある、41%。
てんかん(25~80%)、
⑤髄膜刺激症状、80%。 Kernig’s or Brudzinski’s signは少ない。
⑥悪心・嘔吐、眼窩周囲浮腫、乳頭浮腫、

脊髄硬膜下膿瘍では、根性痛、脊髄圧迫症状を呈する。脊髄硬膜外膿瘍による症状とは区別しにくい

★極めて急速に進行することが特徴的(中では緩徐に進行する場合もある)
●画像診断
 MRI:
 脳実質の異常所見検出には感度が高い(膿瘍)
 T1WI:mass effect、低信号の病変、非造影画像で高信号の辺縁
 T2WI:高信号の病変
 DWI:硬膜下では高信号、硬膜外では様々
 CT:早期では分かりにくいことがあり、繰り返して行う。エンハンスを伴う低吸収域として描出される。
Mass effectは膿瘍自体よりも虚血・浮腫によることが多い。浮腫により脳底槽の展退や皮質回の平坦化を来す。
殆どは前頭部に多い。
●血液検査:
 CBC:WBC↑、Neu↑、ESR≦100mm/h
 腰椎穿刺:禁忌
 CSFグラム染色:起因菌を検出することが少なく、髄液培養でも80%は陰性

4.治療
基本的にはmedical emergency扱い
★内科的治療
外科的に献体採取し、グラム染色の所見などをもとに抗菌薬を選択する。
Empiric therapyとしては、第3世代cephalosporin + metronidazoleが推奨されている。(広域、髄液・膿瘍への移行がよい)。髄液培養は陰性の場合が多く、empiricの継続はあり、少なくとも2週間点滴静注は必要(エビデンスはそれほどないが)、その後は6週間傾向投与。全身管理は抗てんかん薬によるてんかん予防、浮腫・頭蓋内圧に対してはステロイド、マンニトールなど投与、(あるいは外科的に脳室開窓術)
★外科的治療
Should be done without delay
Burr hole Vs 開頭術
基本的には除圧およびドレナージを目的とする。


0 Trả lời to “硬膜下膿瘍”



  1. Gửi bình luận

Bình luận về bài viết này


Tháng Năm 2010
H B T N S B C
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31